元来ワインはエレガントな飲み物であり、繊細で上品なお酒です。
ワインの善し悪しはトータルのバランスが決め手です。例えば、いくら高級な洋服を身に纏ったとしても着こなすセンスが無ければ上品とは感じません。
エレガントなワインとは原料のブドウ、そして原料に最適な醸造方法、熟度と酸味、そして香りの全てに絶妙なバランスを保っているワインです。その絶妙なニュアンスを知る事は積み上げた経験を基に可能性を追求する以外なし得る事はできません。 私は世界品質のワインを醸造するために、例え僅かな成果でも可能な限り努力していきます。

日本は独自の文化を持つ、素晴らしい国です。そして四季折々の食文化は世界から高く評価されています。けれど長い間「和食とワインは合わない」とされ和食にワインを飲む事はありませんでした。
その理由のひとつが、ワインに含まれる鉄分です。鉄分が魚介類の酸化を促進するため、寿司や刺身などとワインを一緒に口に含んだ際、魚の生臭さが引き出されてしまっていたのです。

しかし日本の四季に育まれた日本古来品種のブドウで醸造したワインは、鉄分の含有量が少ないため、魚の本来の味を損なうことはありません。また、さっぱりとした飲み心地、きりっと引き締まった味わいは、 素材の持ち味を生かした和食と絶妙にマッチします。
健康的な和食が世界的なトレンドとなり大きなブームを巻き起こしている中、すっきりとした酸味が特徴の甲州ワインは、和食に合う稀有なワインとして、日本みならず海外の愛好家からも注目されています。